綾辻行人氏のトークショー
「小説家というしごと〜あるミステリー作家の実態〜」
2004.4.17


 これは2004.4.17に行われた綾辻行人氏のトークショー「小説家というしごと〜あるミステリー作家の実態〜」を聞くために京都の「私のしごと館」まで行った遠く長い道のりのレポートです。

 京橋から学園線に乗ること45分。着きました、JR祝園。梅田まで昼トク切符だったので精算機に行くとICOCA専用。新しい機械入れているのね、と窓口に行きました。
 ちょうど全国どこでも使えるオレンジカードを持っていたので、清算を頼むとオレンジカードには対応していないとのこと。は?。友人はJスルーカードだったのでこれなら関西圏は大丈夫と、頼むとやはり対応していないとのこと。
 あの、小さい駅だったのでカードに対応していないというのならまだわかる。最新の機械をドドーンと置いてまだ普及しているカードが使えないとは何事だ、JR西日本!責任者出てこい、ぜーぜー。

 気を取り直して外へ。駅前にいいところがあったらお昼でも食べようかと思っていましたが、何もない。切り崩した整地が目の前に広がっておりました。歩けない距離でもないけど、こんな炎天下歩きたくないとバスを待つことに。
 目的地の「私のしごと館」内に食べるところがあるかどうかわからなかったので、ちょっと向こうの国立国会図書館関西館まで行ってみようと言うことになりました。「国立ー」なら喫茶店ぐらいあるだろうと。

 バスに乗って2回角を曲がると建物が。ああ、近かったかもねと言いながら、その建物が近づいて来ない。しかも着いたらしき場所の、バス停の名前が違う。入り口は次のバス停。建物がバス停1つ分ありました。ちょっと高台になった建物をバスから見上げると、高そうなレストランが。まあ、なかったらあそこに行こうと2つ先の国会図書館まで。

 図書館はこれまた、大きい建物でした。道路に面した壁が遠近法(一点透視)で続いています。うかつに入れないようにか、斜めの高い壁からは水が流してあります。水が流れていなかったら登るぞ私ゃ。塀の区切れている正面玄関から入りました。
 また建物までが遠い。両脇の芝が昔の工場の屋根のように三角の波をうっていました。おお、これは屋上を緑にすると冷暖房費が浮くって言うやつね。ということはこの芝の下に部屋が広がっているのでしょう(迷路館?)。
「名のある建築家が建てました、って言う感じですね」
「建物が緑に埋もれていくって言うのは、ちょっとワッサーっぽい」
ようやく入り口にたどり着くと、18歳未満は利用できませんという大きな看板。しっかりクリアしてますって。
 白い大きな扉を開けて中へ。支柱とガラスの明るい空間。建物は上から見ると丁度「T」の字。入り口はTの下の部分。白く長い通路の半分はB1階の受付へと降りる階段。階段の前には「A4以上の鞄を持った方は書庫に入れません」とデカデカ。A3でも入りそうな鞄を持っていたけど、今日は行かないからいいや。とにかく食堂食堂。案内図を見ると4Fに喫茶店。廊下の突き当たりにメッシュの網に囲まれたおしゃれなエレベーターが。あれに乗るのね。
 白い廊下を歩いていると、スターウォーズの帝国軍の基地内を歩いているようでした(色合いが)。エレベーターにたどり着くと扉しかない、ボタンは?。裏側に行くとスイッチがありました。車いすの人が回転しなくてもいいように出口だけあったのね。しかし、ここにも看板。「4Fの喫茶店は職員専用です」だー。あの、書くのだったら案内図のところに書いておいてください。
 何だか用のない奴はくるな、とあからさまに言われているような気がしたので出ることに。しごと館まで戻ることにしました。

 外はただの造成地。しごと館までただの道。へー。

 図書館の横の敷地でラジコンヘリコプターを飛ばしている人がいました。何だろう。アパッチとかジェットレンジャーとか、そういうモデルのあるのではなく初歩的な型。ロビンソンに近いかな。
 いい場所ですねー。こういうの飛ばす人って河原とか行くそうですが、ヘリだと子供とか近寄って来て結構危ないそうです。飛行機だと逃げてくれるけど、ヘリだとホバリングするので突っ込まれるとは思わないみたいで。ここだと丈の低い草地だし、まわり何もないから人こないし障害物ないし。ここが切り開かれて一番喜んでいるのあのおじさんかもしれない。

 その敷地の遠い向こうに謎のキューブ状の建物。「魍魎の匣」に出て来た実験室をもっと近代的にしてでっかくしたみたいです。美馬坂教授いるかな。

 日陰のない道。友人が帽子買いたいと、途中のホームセンターに寄りました。ここも車用。建物までが遠い。結局いい帽子がなく傘を買っていました。私はひょっとしたら炎天下歩くかもとスーツをやめ、歩く格好に帽子を持って来ていたので正解。

けいはんな記念公園の横を通り過ぎます。ここは車で乗り付けられるからか家族連れが多かった。もう少し木が道路際まで来ていてくれたら涼しかったのに。

 ようやくしごと館のふもとまで。ちょっと高台になった全面ガラス張りのレストランを見上げます。高いのかな。ランチ3000円からです、とか書いてあったらやめてその辺のお弁当を探そうね、と話しながら登ります。
 このレストラン入り口がガラス張りの鋭角三角形。本体はうちっぱなしのコンクリート。「使いやすいんだか使いづらいんだかわからないところが忠雄っぽいね(安藤忠雄さんです、ごめんなさい)」と無茶苦茶言いながら中へ。入ると食券発行機。「あ、良かった市役所レベルだ」「うん、市役所の食堂っぽい」安心してお食事。

 食堂としごと館の建物まで3階部分が渡り廊下でつながっていました。わーい、スカイウォークだ。途中に地上まで下りるエレベータ。このエレベーターのマーク、人が3人きゅーっとつめこまれていてちょっと面白かったです。廊下の下は駐車場への入り口。建物の中から貫通している赤い大きな梁(?)が外に突き出しています。
「あれは何ですか?」「さぁ、建築家のこだわりってやつでしょう」
駐車場に回る所の壁がどこかで見たようなデザイン。吉永小百合さんの薄型テレビのCMに出ていた建築の庭の壁なんだけど、色は違いますが(後で調べたらメキシコの建築家ルイス・バラガンでした。報道ステーションの今のセットが何となく似ている)。

 建物に入るとポスターがありました。さっそくチェック。イベントのお知らせポスター「あ、辻の字ちゃんと点二つだ」「うん、えらいえらい」
 次の全館の案内の大きなポスターの下の方にあった告知「これは一つです」「ここまでは手が回らなかったのね」

 受付がわからず、申し込み用紙があるところにいってみると、本日体験できるイベントがずらり。ガラスケースには茶筅の出来る工程が。「ケーキづくりもありますよ」「朝一番に来ていたらケーキ焼けたかもね」「何のケーキでしょう?」(ちょっと後ろ髪)
 振り向いたところに総合案内があったので聞きにいきました。「会場はあちらになります」お姉さんの示してくれたのは建物のずっと奥のガラス張りの部屋。あー、バス停一つ分。
 入場券の買い方とそこまでの行き方を聞きました。
 改札を通るとすぐシアター、どうですかと勧められましたが見ている余裕はない。でも時間はあったのでちょっと展示を見ていくことに。

 先端技術をささえる人々。歯車のようなものの加工過程がありました。研磨技術の見本とか。金属の表面がだんだんぴかぴかになっています。
「これ、一番磨いたのよりその手前の方がピカピカに見える」
「うんなんとなくそう見える」
わけのわからんコメントをしながら先へと急ぎます。

 やはり自分のしている仕事がどう扱われているのか気になったので「オフィスで見られる仕事」の部屋へ。
 旅行会社をイメージしてありました。壁には主な都市の時間を示した時計。いろんなパンフレット。コンピュータの周りに置かれたさりげない物品。「うんうん、こんな机の人いる」マグカップがあったので手に取ろうとしたら机に貼付けてありました。マウスパッドも(試すな)。机の上に置く本棚。書類がぎっしり詰まっています。その下に何か雑誌が入れてありました。仕事とは違うような。取り出してみると(これはとめていなかった)「猫に出会える旅」というような特集の雑誌でした。仕事関係というよりこの机の主が趣味で読んでいるような(癒し系?)。猫の写真がメイン。かわいいー、何しに来たのかも忘れて癒されていました。  なにやら奥にも部屋がある。入ってみると会議室のセット。携帯を掛ける人と、メモを取る人。スタッフの人かなと思ったら人形でした。うーん、この部屋は無駄のような。

 いかん、先へ進もうと電車でGoのコーナー(運転体験シミュレーション)を横目に先へ(ほとんど人がいないのにここだけ行列が)。
「最先端技術の仕事」で人工衛星の組立ビデオを見、本当に時間がなくなったのでシールド工法体験ゾーンはお姉さんに誘われるもあきらめました。

 受付をして会場に。30分前半分の入りでしたが定刻にはいっぱいになっていました。ふと見回したときkujiraさん発見。そのあとmihoroさんが判明。皆さん来ていらっしゃいますね。トークショーは定刻に開始。

 今日は遠いところをようこそ。と、しごと館の話から。同じ京都と思っていたら、えらく遠いということ。この建物はニュースで聞いたことがあったが、まさか自分がここで講演をするとは思わなかったとか、館ものは書いていますがここまで大きいと…ねぇ、とか。(仕掛けし放題ですよ、ここなら変形して巨大ロボットになっても驚きませんね)
 本題は作家になる方法と収入がどれくらいかという話、選考会の話もいくつか。
 入るのは容易く続けるのは難い。そんな感じです。「暗黒館の殺人」が書き上がったという嬉しい話も。詳細は文末のページを参考に。

 イベントが終わってからサイン会があって、待つ間Ayalistのmihoroさんと少しお話ししました。HPのイラストで青いタイツ姿しか知らなかったので(こらこら)、きれいなお姉さんでびっくり。

 イベントが終わった後係のお姉さんにしおり作りを勧められましたが、帰るまでの時間を考えてパス。
 休憩室でコーヒーだけ飲んで帰りました。ここでもAyalistの皆さんにお会いました。

 バスの時間を見ると若干時間がある。バス停の前にある本屋によりました。結構大きい郊外型の本屋さんでした。よくある新刊しかないような。
「さっきの建物これですね」
見ると「13歳のハローワーク」。確かに。高いハローワークだね(581億円だそうで)。
「『ヴィーナスの命題』ないですかね」(さっき話題に出ていた)
「本にはなっていたと思うけど、ここにはないような」
探してみましたがやはりなかったです。今ここにあったら何冊か売れたかも(?)。

 行きでJRは懲りたので近鉄で帰ることに。西大寺で乗り換え。わーい、奈良の地を踏んだぞ。降りたホームのキオスクで三笠焼きを買いました。ホームが違うので階段を上がると改札前においしそうなケーキ屋さん。しまった、買っていなかったらこっちにしたのに。
 石切を通るときまんじゅうの話になり、いつか買いに来たいと話しつつ鶴橋まで爆睡、梅田で夕飯を買って帰りました。(食べ物の話しかしていないような)。

 トークショーの内容は以下のサイトをご参照ください。リンクはしていないので検索でお願いします。

・ともっぺさん「ふわふら やじろべえ」ともっぺのページ 特集・イベント等
・青猫さん「青猫屋敷」倉庫
・mihoroさん「綾辻行人データベースAyalist」データベースstep2 レポート
・伊吹律さん「QED研究所」取調室

発表順です。詳しいですよー。





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